団体紹介 特定非営利活動法人 伊那里イーラ 団体紹介 特定非営利活動法人 伊那里イーラ

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団体概要

名称 特定非営利活動法人 伊那里イーラ
理事長 紫芝勉
会員数 19名(令和3年7月1日現在)
活動範囲 長野県飯島町及び中川村
事務局 〒399-3802
長野県上伊那郡中川村片桐6629番地1
電話 0265-96-0103 ファックス 0265-96-0133
ホームページ https://www.gqrakuen.net
e-mail :

活動目的

 長野県上伊那郡南部を中心とする「信州伊那里」の文化経済の発展を強く願う立場から、多種多様の経験と知識と情報をもつ人材が互いに英知を結集して、先進的文化経済情報の発信を企画し、また独創的で個性的なまちづくりに広く民意を集め研究し、政策提言を行う。これにより都市農村交流による交流人口の増加と、地域資源を活用した新産業創出に取り組み、もって地域文化経済の一層の発展を図ることを目的とする。

この目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。

  • (1)まちづくりの推進を図る活動
  • (2)情報化社会の発展を図る活動
  • (3)経済活動の活性化を図る活動

この目的を達成するため、次の特定非営利活動に係る事業を行う。

  • (1)地域文化経済に関する調査研究及び実践普及、提言
  • (2)先進的文化経済情報の研究及び発信
  • (3)都市農村交流
  • (4)地域資源を活用した新産業創出
  • (5)その他、この法人の目的を達成するために必要な活動
NPO伊那里イーラ事業概略図

設立趣旨

 今日、国と地方の厳しい財政状況下に於いて、地方分権が強力に押し進められています。
国と地方行政は従来の主従関係から対等協力関係へと移行し、中央主導の画一的行政システムから住民主導の個性的行政システムへと転換が図られようとしています。
これにより、地方行政に多くのフリーハンドが与えられることになりますが、その反面、住民が行政まかせの政治的傍観者であることを強く否定し、積極的な住民参加による真の地方自治が要求されていると思われます。

 また、地方分権の時代は格差社会の時代とも言われています。
都市と地方の格差は広がり、また地方においても地域間競争は激しさを増すことでしょう。
経験したことのない大転換期に、私たちのまちはどこへ進もうとしているのでしょうか。まちづくりに取り組む住民パワーの差は、子供たちの未来にも格差を生じさせようとしています。
飯島町及び中川村は、それぞれ自立により、地方分権時代にふさわしいまちづくりを目指して歩み始めましたが、まだまだ協働の文字だけが一人歩きしているように思えてなりません。
混沌とした時代に生き残るためにも、より一層の、自主性と自立性を高めた住民意識の行政参画が待たれていると痛感する次第です。

 私たちは、中央アルプスの大自然と、その自然に生かされた人々の暮らしが根付くこのまちを心から愛しています。そして、ここに生業の活動拠点を置く政経人として、このまちの文化経済の発展こそが、わが事業の発展の基盤であると固く信じるものであります。
だからこそ、私たちのまちの未来を他人任せにすることは出来ないし、これからの地域間競争にも遅れをとってはならないと奮い立つのであります。
われわれは、多種多様の経験と知識と情報をもつ政経人が互いに英知を結集して、先進的文化経済情報の発信を企画し、また、独創的で個性的なまちづくりに広く民意を集め研究し、政策提言を行い、もって地域文化経済の一層の発展を図ることを目的に、飯島中川政経人会議を設立するものであります。
時代を、地域を、自らの手で築き上げる気概で私たちは行動いたします。

※「飯島中川政経人会議」の名称は平成26年4月に「伊那里イーラ」に改名されました。

沿革・事業実績

平成20年7月 設立
平成20年度 スマートインターチェンジ勉強会
平成21年2月 NPO法人認証
平成21年度 地域文化講演会・パネルディスカッション「どうする!飯島・中川」開催
新産業創出に向けたワークショップ開催
新産業創出に向けた「action2010 提言 みんなで行動するまちづくりのために」作成
平成22年度 オンパク講演会「オンパクで地域資源を掘り起こせ」開催
講演会開催「里地里山、食文化―新たな地域づくりのヒント」
信州いいなか里山泊覧会イーラ開催
平成23年度 信州いいなか里山泊覧会イーラ開催
竹やぶ整備と竹資源を活用した事業
飯島中川定住促進協議会参画
平成24年 信州みなこい里山泊覧会イーラ開催
(平成24年度長野県地域発元気づくり支援金県知事表彰選定事業)
平成25年 信州伊那里泊覧会イーラ autumn 開催
信州伊那里泊覧会イーラ winter 開催

飯島中川定住促進協議会 主管・事務局
平成26年 都市農村交流事業スタート
自給楽園拠点施設(ゲストハウス、キッチンスタジオ、農器具保管庫、竹有機肥料プラント、米備蓄保冷庫)完成
里山保全プロジェクト実施
平成27年 農業塾実施
Future First Camp実施
富士通フォトクラウドシステム利用開始
平成28年 高校生グローバル体験キャンプ実施
平成29年 イーラ ボランティアガイドブック作成
平成30年 十次産業商品開発と販路開拓
平成31年
令和元年
SDGsを通した企業連携の促進
令和2年 都市部と農村をつなぐオンライン・ボランティア活動の実施

入会案内

 信州伊那里の景観や暮らしの文化を大切にして、活気にあふれた誇れる地域を継承してい くために、住民が自主的に知恵を出し合い行動しましょう。 都市企業と農村の交流を盛んにし、地域資源でもてなし、人のつながりを深めて、ビジネスチャンスを創出してみたいと展望される方大歓迎です。
私達の出来ることから始めましょう。
仲間がいれば何かが起こる。

自主的な活動組織には自前活動資金が必要になります。ご協力ください。
■会員年会費:12,000円
個人会員、法人会員のどちらでも総会において一票の議決権を持ち、権利的相違はありません。

申込先 NPO伊那里イーラ事務局(TEL:0265-96-0103)小林

理事長挨拶(平成28年度に下平理事長は退任しています)

画像:理事長下平洋一

人口減少時代の定住促進論

2015/03/07
理事長 下平洋一

■地方自治体の余命が

 日本創生会議は昨年5月、高齢化と少子化の進行による人口減少で、2040年までに全国1800市町村のうち半数が消滅すると発表しました。また、同時点までに人口1万人を割る523自治体は、特に消滅の危険性が高いと指摘しました。この報道は全国各地へセンセーショナルに浸透し、該当する自治体には大きなショックを与えました。いわゆる「消滅可能性自治体」問題です。

 時代の大転換が叫ばれる今日ですが、平穏な日常の中に居ると、何が、どこが時代の大転換なのか何も見えません。しかし、今回の発表は自治体名を公開したことで、時代の大転換が身近に迫る現実の問題として世間を震撼させたのでした。

 特に、「地方自治体の消滅」というフレーズは、人口減少に伴って徐々に行政機能が衰弱化し、やがて、行政機関自体が存続不能となる、言わば、余命宣告されたような衝撃となりました。そして、行政関係者は半信半疑ながら、この問題の対策が喫緊の課題と危機感を認識したのでした。

 以来、地方の基礎自治体では、人口減少に歯止めをかけようと「移住・定住促進」に本腰を入れて取り組み始めました。しかし、「移住・定住」の呼び掛けは全国津々浦々で一斉に広がり、どこも同じような自然景観や特典を売り込む誘致合戦で、自治体間競争がし烈に展開されています。

 

■定住促進の先の戦略は

 「地方自治体の消滅」は大変なことですが、今、慌てて「移住・定住促進」で人口増対策をしたところで、2060年には日本の総人口は8000万人と推計されているのです。現在から37%の人口減少になります。現在人口1万人の地方自治体は6000人に減少することになります。したがって、現在の行政機能や行政規模を維持するには定住促進で4000人の人口増を獲得しなければならない勘定になります。はたして、時代の大きなうねりを正面から乗り越えられるでしょうか。

 日本創生会議の指摘から次の3点が洞察されます。

1・人口減少は確実で地方自治体の現状維持は困難

2・人口減少時代に備える新自治体モデルを創造することが急務

3・人口減少社会に適応した価値を競う自治体間競争が望ましい

 以上から、現在の基礎自治体をなにがなんでも維持存続させるための人口増対策は、無謀で生産性や将来性のない可能性があります。しかしながら、日々取り組まれている定住促進活動が全く無駄なこととは思いません。なぜなら、地方の良さをアピールし、移住定住希望者のニーズを肌に感じ、ブランド作りやマーケティングに苦心することで、人口減少時代に向かう情報の収集やノウハウの蓄積を行う最前線になるからです。

 要するに、目先の手当てに翻弄されることなく、人口減少時代の価値観の質的変化に真摯に向き合い、ジェネレーション(約30年)スパンで「移住・定住促進」の戦略を立て、これに並行した新自治体の創造を今から模索することが重要です。最悪なことは、行政関係者が今日明日の危惧ではないとして、この危機感を先送りすることでしょう。

 人口減少時代に地方自治体が消滅したとしても、地方は消滅しません。今も将来も、生活し居住する人たちが現前といます。いつの世も「いいまち」に自ずと人は集まります。何が「いいまち」足り得る価値なのか、人口減少社会で求められる価値観を的確に捉えることが大切です。

 そしてやがて、人口減少社会に相応しい新自治体が次第に出現して来ると思いますが、その過程においては、現在の自治体の垣根を越えた創造性豊かな価値観による大胆な決断が伴わなければならないと思います。

 

■人口減少時代の価値観は

 地方自治体の人口減少の原因は次の2点があげられます。

1・高齢化時代の死亡数が少子化時代の出生数より多い

2・地方から大都市への人口集中

 では、出産するにしても、しないにしても。また、大都市生活するにしても、しないにしても。その判断を決定する価値基準は何なのでしょうか。

 私は、次の2点をあげたいと思います。

第一に安全安心の価値

第二に自分の存在価値

 たとえば、女性の出産についての判断基準は、出産、育児、教育の一連が、安全で安心出来る状態が保たれ、また、衣食住、医療、環境、経済的にも安全で安心な状態が持続出来るのか…。さらに、自分の社会的役割や存在価値の変化に納得できるのか…。という思考が展開されると思います。

 また、地方と東京のどちらで生活するかの判断基準についても、衣食住、医療、環境、経済に於いて、何を優先した安全安心を選ぶのか…。さらに、自分の社会的役割や存在価値の変化に満足できるのか…。という思考が同様に展開されると思います。

 この方法で、大都市への人口集中現象を考察してみます。極論ですが、地方の自然環境を優先した安全安心の価値を選ぶ人より、大都市の経済を優先した安全安心の価値を選ぶ人の方が多くなった結果であると考えられます。さらに進めると、大都市から地方へ移住を希望する人たちは、経済などの物質的価値観より自然環境などの精神的価値観を優先させた生活の思いが強いと推量することが出来ます。

 結論付ければ、人口減少社会で、移住定住の対象に選ばれる地方自治体であるためには、精神的な価値観を優先した機能やサービスをどのように創造することが出来るかに尽きるのだと思います。

 

■触媒は人

 ここまで、日本創生会議の衝撃的な指摘を受けて、来たる人口減少時代に向けた地方の「移住・定住促進」の戦略的対策を述べてきました。しかし、地方の売りとして自然環境を金科玉条のごとく誇ったとしても、そのままでは、単なる物質的価値に他ならないことを認識しなければなりません。

 人が自然の中に溶け込んで暮らすことで、そこから楽しみを発見し、さらに、その楽しみを仲間と共感できた時に、ただの自然が人間の心を支える精神的価値となって増幅するのだと思います。同時に、仲間が相互にリスペクトされることで、自分の存在価値をも確信することが出来るのだと思います。これは無機質なものに人間が介在して連鎖的に起きる化学反応です。地方へ移住した人にとって、これらの価値を体感出来ることは、決断が正しかったことに自信を持つ瞬間だろうと思います。

 私たち、NPO伊那里イーラは、地域の活力は人々が交流する賑わいであると考えています。ですから、地域資源を活用して人の交流を盛んにし、これを、都市との交流へと発展させて交流人口を増やし、その人と人との交流の醸成により「移住・定住促進」へと繋げることを基本戦略に活動を続けています。これら工程の全ては人が触媒です。

 8年目となる本年は、農業の多面的機能を活用して、都市企業の社員との交流を企画し、農業の新しい付加価値を創造する事業に取り組んでいます。その一環として、家庭菜園の為の「農業塾」を開催することになりました。そこで私たちが狙うのは、参加者が農作業や収穫に一喜一憂することよりも、百の知性で自然と対峙する農業の技を、感動と共に伝えられるタレント性豊かな人材を発掘することです。魅力的な地方であるためには、埋もれた地域資源の発掘がキーとなりますが、結局それは、人間の発掘であると考えています。

 

■大岡裁きで格差是正

 都市への人口流出により、地方は疲弊して後継者が少なく、特に農業は高齢者たちの熱き思いによってかろうじて維持されています。採算を度外視した責任感で、農地を背景にした美しい日本の原風景が保たれています。一方、人材も経済も集中する都市企業では、生産性や収益性を追求した繁栄を続けています。そして、仕事に疲れた体と心を癒したい時には、地方へ出向いて、日本の原風景に包まれて鋭気を養うことが、当たり前のように行われています。

 地方の自然の美しさと日本企業の優秀さが一体となった、国土の調和こそが、世界もうらやむ日本式繁栄ではないでしょうか。しかし、経済的評価や恩恵のバランスが一方に偏っているように思えてしかたありません。そこでは、農業の多面的機能としての国土保全、自然保全、景観保全、文化保全等々の日本の伝統基盤を守る労働価値が、まったく所得として評価されていないのです。

 この格差是正の対策について考えてみます。まず、国庫補助金の宝刀で一気に解決することも考えられますが、国と農家と企業の三者が協力して日本国土の保全が出来れば、理想的な解決策になるのではないでしょうか。

 たとえば、企業のSCR活動や福利厚生事業の一環として、農家の指導を受けながら年間契約で農業体験し、生産された農産物を社員食堂用や社員家族用として全部買い取ります。農家は指導料としての収入も得ることが出来ます。企業には相当の経費が掛かりますが、このような、地方の農業や林業を支援する企業活動について、国が減税の優遇措置を与えられないでしょうか。格差是正が三方収まる日本的な大岡裁きによって解決されれば素晴らしいことだと思います。

 企業の社会市民としての自主的なSCR活動で、持続可能な社会を目指すために、企業も責任を持つべきであるという考え方が広がっています。人口減少社会において企業の存在価値が問われる問題でもあります。

 


名称変更のお知らせ
「NPO法人 飯島中川政経人会議」は、
「NPO法人 伊那里イーラ」へ名称変更いたします。

2014/04/17
理事長 下平洋一

■はじめに

 本会は飯島町及び中川村地域の活性化を願って2008 年に設立され、NPO法人格を取得し、皆様のご支援の下に、今日まで地域社会に責任ある活動を行うことができました。
 私たちの活動指針は、「action2010」で提言した人口増加を目標とする段階的な施策に基づいており、会員の自主的な行動と協力によってこれらが実行されて参りました。
 都市と農村の人口格差がますます広がる中で、人口増の願いは地方行政とても妄想となってしまいますが、魅力ある町や村であり続けない限り人口減少の速度は早まります。
 私達は、単純な数字的増加を望むものではありません。地域の魅力で都市と農村の交流を盛んにして、相互の知恵の融合を生み、それが新産業創出となって地域経済の発展や定住促進へ繋がることを願うものです。

 

■いままでの事業概略
  • 地域住民自身が地域の魅力を再発見して自信を取り戻すために、地域資源を掘り起こす住民交流プログラム「イーラ」を開催。(4 年間5 回200 プログラム、県支援金900 万円)
  • 都市住民向け移住招致の目的で、「イーラ」プログラムを活用した田舎暮らし体験バスツアーを企画実施。情報収集や対応の問題点を研究。(2 年間2 回、農水省交付金500 万円)
  • これらの事業経緯から、一過性の招致企画よりは、都市と農村の交流が継続的に深化し、人の繋がりが醸成されて、自ずと定住促進が図られるための「仕組み作り」が重要と判断し、「信州伊那里自給楽園」構想を立案。農水省関東農政局の交付金支援の認定を受けて本拠地施設を整備し、本年本格始動。(農水省交付金3000 万円)

このように、段階的、且つ、戦略的な活動が実施されて参りました。

 

■名称変更趣旨

 ご案内の通り、今後の基盤事業は「信州伊那里自給楽園」にあります。
 この事業は、都市企業をターゲットに地域の農業、里山景観、田舎暮らしの3 本柱を主題材に交流を仕掛けて目標の達成を図ろうとするものですが、これを推進していくためにも、  組織の活性化と継続を考える上でも、一層の多様な人材による活発な事業展開が望まれています。
 私達は、いままでの事業により、多くの熱意ある人材とのネットワークを築いてきました。
今こそ、この仲間たちも迎え入れて、共に活動するNPO団体へと脱皮変革しなければなら  ない時期と考えています。
 そして、このことに相応しい名称変更も行いたいと思います。(変更登記申請中)
 「NPO法人 伊那里イーラ」を宜しくお願い申し上げます。

 

■新名称の意図
地域呼称のブランド戦略

「伊那里イーラ」

  • 全体的ニュアンス 「伊那里はいいでしょ。伊那里いいね。」と言う意味。
  • 「イーラ」について
    この名称は、本会事業により地域に浸透しつつあり、マーケティング戦略上に於いても親しみのあるブランド力を蓄積してきた。
  • 地域呼称「伊那里(いなさと)」について
    当該地域は上伊那郡ですが、行政区分そのままの「上伊那」を地域ブランドとしても使用することが多く対外的ブランド戦略性に乏しい。
    「伊那里」は、地域の里山景観や田園風景のイメージを広げるブランド戦略思考からの地域呼称を提唱するものである。(信州安曇野、清里などのブランド力を目指す)
    「信州伊那里自給楽園」事業では既に使用し、都市企業へのマーケティングに手ごたえを感じている。

 


歴史的大転換の「時」に備えよう

■直面する食糧危機

 たゆみない科学技術の進歩による経済発展は、便利な物質文明社会を築いてきました。その中で、人間は物質的価値観を追求すること、すなわち、自動車、電化製品、カメラ、時計など、より多くのモノを獲得して幸せとする欲求を優先させて来ました。
しかし、このような大量生産、大量消費による経済の拡大と表裏一体となっていたものは、CO2排出や廃棄物汚染で、気が付けば、人間はモノの豊かさと交換に自然環境破壊という甚大な代償を払わされていたのでした。
そして、これらに起因して、世界各地は異常気象に見舞われ、穀倉地帯では恒常的な水不足で干ばつになり、世界人口60億を養う穀物生産は激減し、穀物価格は急騰して、食糧危機が深刻な時代へと突入してしまいました。

 

■直面する石油危機

 一方、国家の経済力は世界の覇権と直結していました。
従って、政治は経済第一主義で国を挙げて産業育成に傾注するとともに、世界各地の石油争奪戦に積極果敢に挑んで行きました。なぜなら、工業も農業もあらゆる産業は石油化学で支えられ、全てのモノは石油を原資としていたからです。このように、物質文明社会は「石油本位の世界」によって支えられて来たのです。
しかし、最近、石油のピークアウトが問題になって来ました。すなわち、BRICsも加わった世界経済の成長がこのまま続くと、新油田が開発されない限り、石油需要量が供給量を上回る臨界点が近いと分析されたのです。そのため、列強各国は最終段階の石油利権獲得競争に一層敏感になり、世界各地で深刻な紛争を引き起こす事態となっています。
そして、これらに起因して、石油価格は急騰して、穀物を資源とした代替えエネルギーまで現れるなど、石油危機が現実的な時代へと突入してしまいました。

 

■石油文明の終焉

 上述の2つの危機に直面することによって、今後、これ以上の経済拡大は困難となり、独りよがりの経済成長は不徳と非難されることも予測されます。大量生産、大量消費の物質文明社会は終息し、石油消費が大きく制限される石油文明の終焉も見えてきます。
工業革命、IT革命と突き進んできた産業革命は、いよいよ第3の産業革命「エコ革命」の時代へと進むことでしょう。そこでは、物質文明時代に形成されて来た経済体制や政治体制、更には、人間生活の価値観に至るまで、全ての概念の大転換が迫られます。
そして、今まで見放されていた農業や林業、また、物質文明の中で失った心の豊かさを重視した社会が形成されると推測しています。

 これから期待される地方分権の時代も、次を予見したまちづくりが重要だと思うのです。

飯島中川定住促進協議会の紹介

会長 下平洋一
構成団体 (10団体)
飯島町・中川村・飯島町営農センター・中川村営農センター・飯島町観光協会・中川村観光協会・飯島町アパートマンション組合・株式会社田切農産・農業生産法人合同会社天のなかがわ・NPO法人飯島中川政経人会議
活動範囲 長野県飯島町及び中川村
事務局 NPO伊那里イーラ
設立 平成23年11月

活動目的

スローライフを魅力と感じる人々に対し、飯島町及び中川村における「農業を取り巻く自然環境」と「田舎暮らしの楽しさ」をセールスポイントに、都市からの移住、定住を促進し人口の増加を図ることを目的とする。

■平成23-24年度
農林水産省食と地域の交流促進対策交付金事業採択
■平成25-26年度
農林水産省都市農村共生・対流総合対策交付金事業採択
■平成25年度
宝島社「田舎暮らしの本」移住定住お助け団体ランキング第9位

 

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